妹彼女Ⅱ
「なぁ、海。俺思ったんだけど、女子更衣室に隠しカメラをつければ高く売れると思うんだ。」


パンツ一丁の大地が、画期的アイデアを思いついたかのように自慢げに言う。


「雪田くんや。大地くんが《木乃香ちゃんのいる》更衣室に隠しカメラを仕掛けようと言うのですが、いかがいたしましょう?」


「なにぃっ!?…………、殺してしまえ、海!」

「おい待て、なんだ今の一瞬の間は?」

何を想像していたかよく分かるアホ面二人の額にデコピンを食らわす。

「ぐおぅ…、おま…なんでデコピンが凶器なみの殺傷力を…」


「ねぇよ。さっさと着替えろ。着替えるかカメラ仕掛けて犯罪者になるかどっちかにしろ。」


奥でデコを押さえて悶える雪田を無視して、大きめのズボン型の水着に着替える。

「「てかお前セコいんだよっ!!なんじゃあその筋肉は!?」」

うっすらと割れた俺の腹筋に雪地コンビは難癖をつける。


「知らん、筋トレしてりゃこうなるだろうよ。」

「ならねぇから言ってんだ。キレイな体しやがってよ!バーカバーカ、筋肉バーカ。」


低レベルな大地に呆れ、首に手刀を入れる。
いろんなものが飛び出しかけ、大地はいよいよ死にかけた。






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