swallotail-アゲハ-【完】
私達は何台ものバイクを連ねて地元へ帰る。
溜まり場へ帰る前に海へ行った。
他のメンバーは砂浜に走りこみ大の字に寝っころがる。
私は近くの自販機で水を買い、何度も何度も水を口に含んでうがいをする。
私の中のマコトをすべて洗い出すように・・・。
何度も。何度も。
500㍉のペットボトルの水はあっという間に無くなる。
口が湿った状態で何度も、特攻服の袖口で口を擦った。
同じ族でもどうしてここまで違うのか?
「Black・angel」の野郎等はけして力で女をモノにしようとしない。
夏姉の事件。
私の事件。
この2つで奴等はきっと女に対する優しさがあるのかもしれない。
力じゃ、どうしても男には敵わない女。
それが悔しい・・・。
仲間って絆ってやっぱ・・・
スゲーよ。
もう・・・。
誰も傷つけたくない。
もし・・・
傷つくならならば私1人で十分だ。
感情が溢れて持ってたペットボトルを握り潰し、ゴミ箱に投げ入れた。
私は静かに自販機から離れ皆の元へ戻った。
私も皆と同じ様に砂浜に寝ころがる。
冬の空は空気が澄んでで星が綺麗だ。
静かに流れる波音と冷たい空気。
周りから漏れる溜め息。
喧嘩を終えた安心感。
一気に疲れが私を襲う・・・。
「ハックション!!」
・・・。普通に寒いね。
ってか、特攻の上、明日香に預けたままで薄着なんっすけどw