swallotail-アゲハ-【完】
急いで病室を出るとすでにお父さんと春人の姿が無かった。
病院の外か・・・。
私は廊下の壁をつたって玄関に急いだ。
途中、お母さんに引き戻されそうになりながら振り払い、春人の元へ急いだ・・・
玄関に着くと入り口からお父さんの怒鳴り声らしきものが聞こえた。
どこ??
病院の入り口を出ると脇の駐車場でお父さんに土下座してる春人が見えた。
春人が・・・土下座??
「お父さん!!」
私は春人を殴ろうとしたお父さんを大声で呼びその拳を止めた。
急いで春人の元へ駆け寄った。
「どうして春人を殴ろうとするの?」
「娘をこんな目に合わせて黙ってられるか!!」
お父さんは声を荒げて私に言った。
「春人は悪くないよ・・・。うちが全部悪いの!!喧嘩したのも、赤ちゃん殺したのも。全部うちが勝手にやった事。春人は悪くない・・・」
「まだ、学生の身分で、何をやったか分かってるのか!淫らな事する時間があるなら勉強しろ!!」
淫ら?
大好きな人と性行為する事は淫らな事なの?
SEXって酒や煙草と一緒で年齢が決まってるの?
じゃ・・・どうして私は産まれたの?
私は産みたかった・・・。
出来る事なら今の状況でも春人の赤ちゃん産みたかった。
「吹雪は・・・お父さんとお母さんに望まれて産まれてきたんじゃないの??お父さんもお母さんを愛してるから私を授かったんでしょ?どうして・・・すべてを否定するの?」
私は春人が殴られないように盾になりお父さんを睨みつけて言った。