swallotail-アゲハ-【完】
「早く、殺れよ」
私の精一杯の強がり。
「そ。じゃぁ~。さようなら!!」
大樹はそう言うと私の首に手を掛けた。
苦しい?
大丈夫。
アナタに会えるなら「ママ」は怖くないよ。
薄れる意識の中遠くからバイクの音が聞こえた。
コイツ等・・・死体でも抱くのかなぁ・・・。
ソレって人間じゃないよね。
ってか、コイツ等自体、化け物だったんだっけ。
「大樹ーーー!!!・・・吹雪!!!」
ねぇ・・・。
誰か私を呼んだよ。
名前で呼んだよ。
ナイトが来たよ!
ナイト?
誰だろうね?
首・・・苦しくないね。
お腹も重くないよ・・・
「ッゴホゴホ・・・」
吐き出されなかった息が一気に喉を通る。