swallotail-アゲハ-【完】
頭を上に上げると、バイクに跨ったままのタケルの姿があった。
どうして?
誰にもココに来る事は話してないよ。
大樹も私から離れてタケルにゆっくり近づく。
「邪魔ばっかりぃ~~~」
タケルはアクセルをフルに吹かして大樹目掛けて走ってた。
大樹が慌てて体を180度回転して逃げ腰で走るがコケタ・・・。
大樹が倒れてもお構いなしにスピードを落とさずタケルは進む。
そして・・・そのままタケルに引かれた大樹。
「う”ぁ・・・」
鈍い声を出す大樹。
私はただ・・・その状況を見る事しか出来なかった。
大樹を引いたタケルはスピードを緩めて私の元へ来て止まった。
「早く乗れ!!」
急かされる様に体を起こしタケルの後ろに跨った。
そのままスピードを上げてこの場から消える私達。
どうして?
どうしてタケルが?
どうして?
ココが分かったの?
地元に戻る間何も話さないタケル。
私も何も聞けなかった。