swallotail-アゲハ-【完】

「お前さ、俺の事好き?」

「うん・・・」

「また。うんかよ!!好きなら好きって言えよ!」

お・・・怒ってる??

「ど、どうしたの?」

「吹雪。ちょっと来いよ」

私と春人は人2人分ぐらいの距離で話してる・・・。

トボトボ春人の元へ行くと・・・。

「ちょっと・・・」

腕を掴まれ抱きしめられちゃいました・・・。

「どうして言ってくれないの?ずっと待ってんだよ。俺、お前の事不安にさせた?自分ではさせてないつもりだけど・・・。俺、不安だよ・・・」




不安??

春人は不安なのぉ??

「心さえ繋がってれば言葉なんかいらないってお前は思うかもしれないけど。言葉が欲しい時だってある。好きって言葉1つでどんだけ幸せになれると思う?傍に居るだけでいいかもしれないけど限界ってもんがあんだよ。お前は俺が欲しくないの?」



私は毎回春人の「好き」を聞いてる。

その度、嬉しいし。

大事にしてもらえてるって思う。

私の言葉が足りないばっかりに春人を不安にさせてたんだ・・・。





「春人・・・。ごめんね。ずっと言えなくてごめん・・・





好きだよ。春人。大好き。だから・・・ずっと傍にいて?」






「なんだよ。ちゃんと言えんじゃん!!ヤベ・・・。チョー幸せ!!」






「好き」って簡単に言えますか?

「愛してる」って簡単に言えますか?

今の私にはどちらの言葉も重くて簡単になんて言えない。

でも、そのせいで好きな人を不安にさせたくない・・・。


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