【天の雷・地の咆哮】
・・良かった。本当に嬉しそうだわ。
何を考えているかわからないへらへらとした笑みではなく、
無邪気な子どものような笑顔を見せるロカに、ニュクスの胸がとくりと小さく跳ねる。
「うん、こりゃうまい!」
一口で食べられる大きさのそれを、試しに一つ口に入れると、
ロカは間を空けず、次々と菓子を口へ放り込んだ。
調子よく何個かを食べた後、突然、ロカがうっとうめいた。
「ロカ?」
喉に詰まらせたのだろう。ロカは、ごほごほとむせ、拳骨で胸を叩き始める。
「ロカ!大丈夫ですか?」
ニュクスは真っ赤になった顔のロカとは正反対に、
真っ青になってロカの背をさすりながら、彼の口元に茶器を運んだ。
「早く、飲んで!」
ロカの喉仏が、小刻みに波うって水分を受け入れていく。
「はぁ~!死ぬかと思った!」