One Love
「おーい!秀治ー!!」
遠くからそんな声が聞えた。
きっと秀治君の友達だ。
「あ、俺そろそろ行かなきゃ。…じゃぁね、爽ちゃん」
『うん。バイバイ』
「…佐倉君も、さようなら」
(佐倉は涼の名字)
「あ…さようなら」
タッタッタッタと走ってゆく姿は、昔とちっとも変らなかった。
「………爽…」
『何?』
涼は自動販売機ですでに買っている。
取り出し口からジュースを取りながら、聞いてきた。
「……気持ち…揺らいだ?」