One Love


「だーかーらー!…ここはこの式を代入するんだって!!」


隣から夏樹の声が。

涼は冷静に夏樹に言い返す。


「でもさ、おかしくない? だってここにはこう書いてあるし」

「それは前の問題のこと。文字読め!文字をッッ」



大変そー…



「爽もあれくらいビシッバシッやろうかしらねぇ」



正面から刺さる、湊の視線が痛かった。




涼は夏樹に教えてもらい、あたしは湊に教えてもらう。

なんとまぁバランスのとれた…



「はいはい。ちゃっちゃとコレ解こうか」



『あ、はい』




般若以上の強張った湊の顔は、あたしの1番嫌いなお化けよりも怖かった。




「その説明、私がお化け以上のお化けみたいじゃん」


『えっ!?心の中、覗かれた!?』


「いや、声に出してるよ。あんた」



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