One Love
「とりあえず10分ね」
バスケ部の部長であろう男の人がそう言い、審判がタイムを準備してジャンプボールの人が円の中に入った。
相手はみんな3年生。
対する私たちはもちろんみんな1年生。
(しかも女子2人)
「こっちはバスケ部だし、負けちゃいけないからベストメンバーでいかせてもらうわ」
部長はそう言って笑った。
優しそうな人だった。
ジャンプボールはその部長と涼。
涼は(今もだけど)5人の中で1番背が高かった。
「よっしゃ! 先輩、本気で行かせてもらいます!!」
爽は部長にそう言って笑っていた。
「んじゃ始めます」
審判がそう言い、ボールが宙に浮いた。
何とも平等にあげられたボール。
ジャンプボールの涼と部長は、一斉に跳んだ。