桜咲く季節に。



帰り道、てぼてぼと駅に向かう途中に吉田くんが立っていた。



何も言わず通り過ぎようとしたら、



「野之田」



名前を呼ばれ、振り向く。


吉田くん…あたしの名前…。



「突然こんな事言って悪いんだけど、その…」


「な、なに?」


動揺するあたし。

「好きです。付き合ってください。」






えっ?


あたし今、吉田くんに告白されたっ!?



「えっ!?ぁ、はい…」


「マジでっ!?」

「う、うん。でも留学…」


「だから、俺が帰ってくるまでの三年間、待ってて欲しい。」



「わかった」



いつまでも待ってるよ。



あたしは満面の笑みを見せた。



たとえあなたに二度と会えなくても…。





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