桜咲く季節に。
短く会話を済ませ、教室に向かう。
教室を覗いても、片想いの相手、同級生の野田彩未は居なかったため、中庭に向かった。
…お、いた。
「彩未…っ」
彩未の向こうに人影が見えたから、草かげに身を潜める。
『……好きです。』
『えっと、ごめんなさい。私好きな人が…。』
『そっか…わかった』
『で、でもっ。これからも仲良くしていこう。』
『うん…』
──告白現場、か。
ん?ってゆうか好きな奴って誰だ?
「あ、哉的やん。なんでおるん?」
「ぅおっつ。彩未っ!」
「もしかして哉的今の聞いてた?」
「うん…」
「そっか…でも今のは誰にも言わんといて…」