桜咲く季節に。



───メンド…。
屋上でサボるか。




体育館を抜け出そうとすると、壇上に誰かが飛び乗った音がした。



「哉的!!」



自分の名前を呼ばれ反射的に振り向く。




「避けるんやったら!ちゃんと私の話聞いてからにしてや!!」



振り向いた先には生徒会役員からマイクを奪いとった彩未がいた。



「私の好きな人はあんたや!哉的や!」



「ったく…
こっちから告らなきゃなんねーのに…。」


一瞬の沈黙のあと、講堂中はざわめく。

哉的はステージに駆け寄り、彩未の手をひいて講堂を飛び出した。




「ちょっと!
どこいくん!?」


「わかんねぇ!」






───Fin.
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