霧の中の「BOY MEET GIRL」【中編】
―――

時は、こういう時に早く過ぎていくのだろう。
もう夜の8時。
短大生で男の俺にとっちゃ普通の時間帯だけど、彼女は女である。

「もう遅いし、帰る?」
「...」
「まだ、か...」
「ごめんね」

「まだ、ここにいたい」と女は言い張り、結局10時までいることになってしまった。

「まあ、どうしてだ?」
「ん?」
「ここにいたい理由」
「うーん、ここにいたい、っていうか、向平くんにここにいてほしいんだ」
「俺に?」
「うん」

そう言うと、女は立ちあがった。
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