霧の中の「BOY MEET GIRL」【中編】
「向平くんが帰っちゃったら、私の秘密がばれちゃうから」

それだけ言って、俺の方を向いた。

秘密?


「ふふ。顔で分かっちゃった、向平くんに気持ち」
「えっ!?」
「訳分からないでしょ」

図星だ。
俺は「ああ」と頷いた。

「秘密って...どういうモンなんだ?マフィアとか?国家兵器とか?FBIだったり?」
「あははっ!そんなたいそうなものじゃないよ。ただ、その秘密がばれちゃうと、私きっと向平くんに嫌われちゃうもん」
「え...」
「この話は終わりにしよっか♪向平くん、門限何時?」
「あー、ねぇわ、そんなん。俺の親ズボラだから、決めても意味ないし」
「そうなんだ。あの時から変わってないね」
「え?」
「あっ!」
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