霧の中の「BOY MEET GIRL」【中編】
中学時代
―――中学3年生の二学期。
それが、あのバカなバンドをした時代...。
「あらっ、おかえり!遅かったわね」
暖かい微笑みで迎えてくれた母。
その目には、クマがうっすら出来ていた。
「ごめん、ちょっと色々」
「ったく、何かあったんじゃないかって冷や冷やしてたわ」
「でも、結局呑気に韓国ドラマでも見てたんだろ?」
「さすが向平!実は今ヨン様にハマってて...」
この話は長くなる。ほっておこう。
「...でさぁ、その“色々”って何なのよ?」
ヨン様話を何十分かしてから、急に聞きだしてきた。
「は!?」
「その驚き方!女?女でしょ!女よね!?」
「な、何言って...」
「名前は!?」
「え、えと...」