霧の中の「BOY MEET GIRL」【中編】
―――
――――――
『大場向平くん!!!』
彼女が初めて俺の家にやって来たのは、6月半ばだった。
学校がタルくてサボってばっかりだった当時の俺。
そんな俺の世話係があの、田中柚愛だったのだった。
『...誰』
4月の新学期ですら学校に行ってなかったので、クラスメイトの大半は知らない。
樹雄は『ちゃんと覚えとけよー』なんて苦笑していたけど、気にも留めていなかった。
『あ、そうだよね。初めまして、田中柚愛って言います。同じクラスだよ』
『で、その田中さんが、何?』
昼は寝、夜は起きの昼夜逆転生活を送っていたため、学校帰りの夕方という時間は果てしなく半端な時間帯。眠くて眠くてしょうがない。
なので、早く帰ってほしかった。
『えっと、今までの分のプリントでしょ、ノートコピーでしょ、あと...』
『え』
『?何?』
『や、あの、えと...』
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『大場向平くん!!!』
彼女が初めて俺の家にやって来たのは、6月半ばだった。
学校がタルくてサボってばっかりだった当時の俺。
そんな俺の世話係があの、田中柚愛だったのだった。
『...誰』
4月の新学期ですら学校に行ってなかったので、クラスメイトの大半は知らない。
樹雄は『ちゃんと覚えとけよー』なんて苦笑していたけど、気にも留めていなかった。
『あ、そうだよね。初めまして、田中柚愛って言います。同じクラスだよ』
『で、その田中さんが、何?』
昼は寝、夜は起きの昼夜逆転生活を送っていたため、学校帰りの夕方という時間は果てしなく半端な時間帯。眠くて眠くてしょうがない。
なので、早く帰ってほしかった。
『えっと、今までの分のプリントでしょ、ノートコピーでしょ、あと...』
『え』
『?何?』
『や、あの、えと...』