霧の中の「BOY MEET GIRL」【中編】
「柚愛ちゃん絡み?」

そう言った樹雄を背にコンビニへ入る。
「ご名答」
一瞬だけ、ピースして見せた。


―――

よし。
買うもんは買った!
・・・あと6日間。



ガチャ、という音が響かないように家に入った。
・・・のに、やっぱり母は分かってた。

「おかえり。どこ行ってたのよーもう」
「わりわり。コンビニコンビニ」
「コンビニ?・・・って、何その量っ」
「ちょっとな♪」

「ふーん」とだけ言って自分の部屋に去っていった母。
それにつられて俺も口笛を吹きながら部屋へと戻る。

「口笛吹くと泥棒が入ってくる」なんて言ってた時期もあったけど、そんなの気にしてらんない。

とにかく来週の土曜日が楽しみだった。


< 37 / 45 >

この作品をシェア

pagetop