霧の中の「BOY MEET GIRL」【中編】
「くっそ、やっぱ出ねぇ」

せっかくいつもは使わないサイトまで使ってやってんのに...。
そんなにマイナーな音楽なんかな...


「あ。やっぱそれオレ知ってるかも」


樹雄がそう言いだしたのは、放課後だった。

「お前のノーテンキな鼻歌もたまにだけど役に立つな。その歌聞いたことあるよ」
「マジ!?誰が歌ってる!?CD貸して!!」
「いや、それが...」


―...。



「...は?」
「だから!中学ん時の学祭でやったバンドの曲だろ?思いだしたよ。確かお前とオレとケンと直がいたよな」

ケンと直とは、中学時代の親友だ。

「なんならオレん家でそん時のDVD見るか?」
「え。あんのか」
「ああ。お袋が撮ってた」


学祭ん時の曲?

なんであの女が、そんな曲を流して......

< 6 / 45 >

この作品をシェア

pagetop