世界終了のお知らせ
明かりはついてるもののなんとなくぼんやりしている気がする。

台所を覗くと母さんが何か炒め物をしていた。

「遅いじゃないまるみ、寄り道してたのね。」

今日はなんだか穏やかな様子の母さん。
もしかして父さんと仲直りしたの?

なんて少しだけ期待をしてみる。
まぁ期待するだけ無駄かもね、すぐにその気持ちはグズグズと消えていった。


すぐに事態は変えられない。子供の私でもそれくらいわかる。


いつからこうなったのだろう。


昔、父親と母親はいつまでも二人仲良しで、永遠のものだと信じていた。


小さな頃からの私の『永遠』が、不安定でおぼろげな存在に変わったのは私が小学校を卒業するくらいの頃だったろうか。

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