世界終了のお知らせ
季節は春も終わりに近づいていて、待ちに待ったのか待ってないのかもうすぐ夏が来る。


夜風が少しだけひんやりしていて、ブレザーを羽織ったままで正解だったな。

大きく伸びをひとつ。


財布もケータイも持ってきてない。
私を現実逃避させるものや、縛りつけるものさえ何もなくて、ただ静かな道を歩いていた。


行くあてや先立つ物だって無いくせに気持ちはすっかり解放的になって。

なんて楽なんだろ。
なんでもっと早くこうしなかったんだろ。

そんな事を思いながら、下手すれば鼻歌だって歌うくらいに浮かれていた。


哀れでやせっぽちな中学生は自由を手に入れて浮かれていた。
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