世界終了のお知らせ
あまりに突拍子も無い提案だったので戸惑ってしまう。

あこの家。きっとあこみたく完璧な両親と明るい家庭なんだろうな。でも‥


「嬉しいけど、行けないよ。家出みたいなものでしょ?普通にいつもどうりにしてないと親に心配かけるし‥」


ガッ。

ここまで言って、頬っぺたをわしづかみにされた。
唇が尖ってタコになる。


「普通の状態でいられない奴がそんな心配考えてんじゃないよ。」


あこの怒った顔なんて初めて見る。瞳は静かに燃えていた。

「まるはさっき境界線を超えたんだよ。我慢出来る範囲の線。ついにメーターが振り切って、自分が抑えられなくなって、ここまでふらふら来たの。
分かる?そういう状態の子は危ないんだ。犯罪だって無意識でしちゃうし、悪い奴に簡単に騙されて後々泣くはめになる。
人の心配してる場合じゃないの!そんな余裕あるならねえ!‥」


長い睫毛の大きな目からぱたぱたと涙を流し、早口でまくしたてる。

最後に
「自分の心配をして」
と、小さな声で言うのだった。


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