世界終了のお知らせ
その後の授業でも越夜亜子のパーフェクトぶりは止まることを知らなかった。

体育で走らせたら女子の誰よりも早く、問題を解かせれば100パーセントの正解率。
美術の時間はハイレベルなデッサン力を見せつけ担当教師の目も輝いた。


「未熟もので恥ずかしい限りっす。。」

そう言っておどける彼女の可愛らしさ。ギャップにみんなメロッメロだ。


転校してきて早1週間。越夜亜子はもはやクラスの、いや学年一の人気者になった。

教師からの評判もすこぶる高い。子供も大人も越夜亜子に夢中のようだ。



そんな中私は相変わらず無関心のままで、今日も憂鬱な放課後を迎えてとぼとぼ下校するところだった。

ひるなは週1の同好会に顔出し。私は時間をつぶす相手が居なくなり思い気持で家に向かう事になった。

家には極力居たくない。でも、そんなことは誰にも悟られたくない。
尚且つ小心物の私はおとなしく帰るしかないのだ。


ああ今日も足が重い。鉛みたい。

ずるずるひきずるように歩き出した私を止めたのは‥‥あの綺麗な声。


「朝町さん!」
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