Imaginary,5476

 あぁ、駄目だ 。

 取り敢えず駄目だ 。


 「 あ 」

 待てよ、この体勢 。

 ──電車に顔から突っ込め
 と!?


 誰 か 電 車 停 め て !


 「 ───…ッ 」


 その時、人形が線路…仁花
 の目の前に投げ込まれた 。



 ──助ける為 ?


 いや人形は駄目だろう 。身
 代わりにすらなれないでは
 ないか 。

 「 あの人何考えて… ! 」




 時間が止まった  ような気がした 。




 だって、人形と思っていた
 ・・ ・・・
 少年 が 笑った から。



 「 ───── 」


 言葉にならない感情を抱え
 たまま、仁花は目を瞑る準
 備をした 。

 ──あぁ、まだ色々出来た
 のにな、多分 。 何であん
 な奴と出会っちゃったの、
 私 。 馬鹿みたい 。



 大きな音 。
 どんどん大きくなる 。

 ──駄目だもう、この誰か
 さん(人形もどき/仮)巻き
 込んで私死ぬんだ ?

 あんな、公の場で無理矢理
 スカート捲らされて、文句
 も言ってない 。

 あと、親 。何で助けてくれ
 ないの 。


  もう嫌 。




 振動が伝わる 。


 ( さよなら、世界 ! )



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