Imaginary,5476

 目を瞑ろうとした私の手を
 フェンネルが掴んで引き寄
 せる 。

 彼が指を パチン ! と鳴ら
 した瞬間 、しゃがみこんだ
 私達の上に沢山のトランプ
 が散らばって 、それに破片
 が一つずつ刺さって行く 。

 「 …── ! 」

 しかもご丁寧に数字の個数
 ピッタリに 。




 パ チ ン !

 もう一つ フェンネルが指
 を鳴らした時には 、パッと
 嘘のようにトランプは消え
 た 。

 「 あ────ぁあ 、折角キ
 ラキラさせようとしたのに
 なぁ 」

 「 お引き取り願える ?今丁
 度朝食の時間なんだ 」

 「 何であたしが引かなきゃ
 ならないの ?あんたでしょ
  !シンデレラって !!! 」

 「 はっ!?…は 、はい ! 」

 この野郎 、認めてるのはど
 の口だ !

 何故かとっさに応えてしま
 った仁花に 、少女は可愛ら
 しく微笑んで 、




 「 死んじゃえば良いのに 」


 と残酷なことを言った 。




< 26 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop