Imaginary,5476
目を瞑ろうとした私の手を
フェンネルが掴んで引き寄
せる 。
彼が指を パチン ! と鳴ら
した瞬間 、しゃがみこんだ
私達の上に沢山のトランプ
が散らばって 、それに破片
が一つずつ刺さって行く 。
「 …── ! 」
しかもご丁寧に数字の個数
ピッタリに 。
パ チ ン !
もう一つ フェンネルが指
を鳴らした時には 、パッと
嘘のようにトランプは消え
た 。
「 あ────ぁあ 、折角キ
ラキラさせようとしたのに
なぁ 」
「 お引き取り願える ?今丁
度朝食の時間なんだ 」
「 何であたしが引かなきゃ
ならないの ?あんたでしょ
!シンデレラって !!! 」
「 はっ!?…は 、はい ! 」
この野郎 、認めてるのはど
の口だ !
何故かとっさに応えてしま
った仁花に 、少女は可愛ら
しく微笑んで 、
「 死んじゃえば良いのに 」
と残酷なことを言った 。