Imaginary,5476
仁花をかばっていたフェン
ネルが次の瞬間仁花を押し
倒すように倒れこんだ 。
「 …ッ ! 」
決して放送禁止なアレが起
こったのではなく 。
「 ──フェンネルさん!? 」
彼の肩口からは大量の血が
流れ落ちていた 。
「 あはは 、所詮は魔術師だ
もんね 。勝てるなんて端か
ら思ってないでしょ ? 」
「 …まぁ 、確かに… 」
認めないでよ 、其処で 。
人の血なんて間近で見たこ
となかった仁花にとって 、
それは結構な精神的ダメー
ジを与えた 。
「 今日は一応この人殺しと
こうかなぁ… 」
「 …やだ 、殺さないで… !
」
────え ?
仁花は 、自分の言葉に驚い
た 。フェンネルを 、殺さな
いでと仁花は確かに言った
。
何で ?
まだ色々文句言ってないか
ら ?
助けてくれたから ?
「 何でよ 」
───判った 。
理解してないけど 、確信し
た 。
「 私がシンデレラで 、
フェンネルが魔術師だから !!!! 」
仁花は 、フェンネルにしが
みつく力を強めて 、精一杯
叫んだ 。