Imaginary,5476
普通に学校に行って、普通
に帰っていたのだ。
至って 普 通 に 。
家より学校に近いその道。
通学路であったし、人通り
も多い。
本当に普通に安全な帰り道
だった。
仁花は今日、新しい靴を履
いていた。彼女の学校はロ
ーファーが指定であり、今
日は正装でとのことだった
ため黒いストッキングを着
用していた。
つまり何が言いたいかと言
うと、靴は足に馴染んでな
い上、残念なくらいにぶか
ぶかだったのだ。
だから、自分なりに努力を
して、何とか靴から足を溢
さないようにしていた。
なのに、そんな努力も虚し
く、とある信号で、
スポ。
と抜けてしまった。
「 、あ…っ 」
それは勿論、拾いに行こう
とした。
でも、その前に拾ってくれ
た人が居た。