Imaginary,5476
パーティは 、信じられない
程に質素なものだった 。
此処でドレスなんぞ着た日
には完全に部外者扱いされ
てしまいそうだ。
思った通り 、仁花が二人の
背中に語りかけると
「 …まぁ 、だからこそ次の
招待状を受け取るのが大変
なんだろうけど 」
と言う鈴守と 、
「 裏パーティはこんなもの
ではなく 、驚く程豪勢だ 」
と言う時掛と 。
二通りの答えが成程返って
くる 。
二人共 、全く同じ反応を寄
越しはしない 。
「 でも私 、図書室でだなん
て思ってなかったから驚い
たけど 」
そう 、此処は図書室だ 。
だから例えるならば 、図書
委員会出張版 。
「 …で…その招待状ってい
うのは 」
「 図書室の何処かに52枚隠
してあり 、その内13枚は偽
物 」
トランプをもじっているの
だろうか 。
「 え…じゃあ探さなきゃい
けないの ? 」
本の間に挟んだのなら一日
かかりそうだ 。
「 うん 。でもね 、誰にも見
付からないように自然に探
さないと 、主催者によって
リストから抹消される 」
招待状も取り上げられちゃ
うしね 。
鈴守はそう苦笑した 。