Imaginary,5476
「 い 、った……っ ! 」
この狭い空間に響き渡った
のは鈴守の悲鳴 。彼の華奢
な腿からは赤い血が流れて
いた 。
「 …やっぱ俺さ 、 」
「 な 、何… ? 」
お前のこと死ぬほど 嫌 い だ
「 ちょっと… 、フェンネル
ってば !ねぇ ! 」
「 、えぇー… ? 」
この人低血圧だ… 。
仁花は何とかフェンネルを
叩き起こし( 勿論彼はまだ
肩に包帯を巻いていた ) 、
緊急事態の発生を知らせよ
うと全力を尽くした 。
「 この家から出られないの ! 」