Imaginary,5476

 「 ほら、靴の為だと思って
 ハイ ! 」

 「 きゃぁああ──── ! 」


 青年の手が何の躊躇いもな
 く仁花のスカートを捲る 。

 これだけ大騒ぎをしていれ
 ば、何で無くとも人は見る
  。

 従って仁花のスカートの中
 ──嫁入り前なのに──は
 かなりの人数に見られてし
 まった 。


 「 この年齢でまさか公然猥
 褻なんて… 」

 「 事故ってことで、まパン
 ツ位平気じゃないの ? 」

「 パンツ位って何ですかパン
 ツ位って !少なからず私は
 嫌な思いしたんですけど !
  」

 青年は知らぬ振りだ 。シカ
 トかよ 。


 「 シンデレラに対する辱め
 だからね 」

 青年は、仁花の唇に人指し
 指と中指、薬指を当てて、
 有無を言わせずとした 。

 辱め ?

 「 元より私には地位も名誉
 も無いのに、辱めって何 !
  」

 「 直に判る─さ、帰ろう 」





 結局仁花のスカートの中を
 世間に露呈した所で退散と
 なった 。

 ──本当に何がしたいのこ
 の人 。




 ていうか、私今誘拐されて
 る身だった ?
 助けを求めれば良かったの
 、かも 。


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