聖夜の約束
ひとり
冷たい風が吹き抜けていく季節。
今にも雪が落ちてきそうな空模様。
あたしは、ふと立ち止まって空を見上げる。
枯れ葉を飛ばして揺れる木々。
寒々しい音を立てて吹き抜けていくビル風。
「寒……っ」
思わず声を漏らして、マフラーを口元まで上げる。
夕方の街並みは、キレイなイルミネーションがあちこちで輝いていて。
街を歩く人々の顔にも、いつになく晴れやかさがあふれている。
< 1 / 46 >