聖夜の約束
 
 その後も、2週に1度くらいの頻度で先生はやってきた。

 時間はいつも21時過ぎ。

 たぶん歴史関係と思われる本を片手に、時折何かをノートに書き留めながら食事を頬張る。

 その姿はまるで、試験前の学生。

 その姿が居なくならない内に、あたしのバイト時間は終了する。


『コーヒーのおかわりはいかがですか?』


『……ん。気が利くね、華南子』


 いつの間にか、名前呼び捨てになった。

 確か最初は、びっくりしちゃって、『怖い顔するなよ』なんて言われたっけ。
 
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