聖夜の約束
 
『イキナリ言われても、困るよな』


 困ります!

 困ります!

 好きって、言われれば……そりゃ、誰だって困るよ!!

 先生があたしを、なんて、そんな……。

 ――あ、あたしは、何を言えば良いの?


『あ、あの……』


『困らせるのは分かってたんだ。ほんと、ごめんな。でも、どうしても言いたくて』


 くるりと踵を返して、先生は顔だけを振り返らせた。


『もう遅いから帰ろう。ごめんな、時間取らせて』


 何だか淋しそうな笑みで。

 まるで、さっきの言葉は無かったことの様に歩き出そうとする先生を――。
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