聖夜の約束
「な……、なんでここに居るんですか!?」
「なんで、って。明日は華南子の誕生日だろ? それに、今日はクリスマスイヴだし」
カバンを置いて、上着を脱いで。
先生は傍まで来ると、ソファの下に座り込む。
「イヴもクリスマスも誕生日も、全部一緒に居たいから」
「……っ、他の、先生達と出掛けたんじゃないんですか?」
「勿論行ったさ。でも、いてもたってもいられなくって逃げて来た。俺には華南子っていう可愛い恋人がいるから、淋しい方々の仲間じゃないしね」
そういう恥ずかしいことを、どうしてこの人は臆面もなく言うのだろう。
目が合うことすら恥ずかしくて、あたしは俯いた。
にっこりとあたしに笑んだ先生は、自分のカバンを引き寄せてゴソゴソと中を探り始めた。