聖夜の約束
 
 ごめんね、莉奈さん。

 本当は、約束なんて無いんだよ。

 あの人以外と今日のこの日を過ごすなんて考えられない。

 あの人と居られないなら、あたしは一人でいい。

 おかしいな……。

 いつからあたしはこんなにも我が儘になったんだろう。

 前はこんな風に考えたことなんて無かったのに。

 イヴとクリスマス――自分の誕生日は、適当にバイトを入れて。

 街を飾る綺麗なイルミネーションを見て。

 楽しそうな人達の沢山の笑顔を見て、それで満足だったのに。
 
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