想いの先に
辞書を片手に必死に訳した。
彼に会い、沢山の会話が出来るために、学生時代ほとんどしなかった英語の勉強をした。
そのうち、お母さんとは口をきかなくなった。
それでも、私はルカへの気持ちを諦めることは出来なかった。
お母さんを悲しませる事になったとしても、私は私の思いを貫くと自分自身に誓った。
同じ家に居ながら、口もきかなければ、一緒に食事もとらない。
そんな状況にお父さんは耐えられなくなったのだろう。
「お前、家を出た方がいいかもしれないな」
仕事から帰った私に背をむけ、胡坐をかいた姿のまま、ボソッと呟いた。