想いの先に

3





「遅くなって……ごめんね」




私は抱きしめられたまま、ルカにそう言った。




お父さんに言われ、手紙を書いてから、ルカのもとにに来るのに随分経ってしまったから。




「サチ、ケッコンシテ、クダサイ」




「ハジメテ、アッタトキカラ、アイシテイマシタ」




ルカの胸に埋めていた顔を上げると、私の目の前に手のひらを差し出した。




その中には、ささやかだけれども、光り輝く石のついた指輪が乗せられていた。







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