存在しない366日
恐怖へのカウント
「今年も今日で終わりかぁー」
伸びをしながら
実感が湧かない、俺(刹那)は言った。
今日は大晦日。
俺と紫音、直樹、悠也、龍一の男5人で
カウントダウンパーティーを開いている。
テーブルにお菓子を並べて
俺たちはテレビに目をやった。
〈今年も30分で終わりですね〉
明るく女性アナウンサーがいう。
大晦日だというのに
その日も仕事とは尊敬する。
時計が静かに
カチカチ時を刻み、俺の眠気を誘う。
今年こそは、と
刹那は起きて来年を迎えるために
眠い目を擦り、
今年が終わるのを待った。