存在しない366日
「俺を殺すつもりか?
殺せるものなら殺してみろ」
男はそう言うと
殺されるのを待っているかのように
手を広げ、目を閉じた。
でも、
俺は出来なかった。
人を殺すなんて…
ただでさえ、震えているのに。
10秒ほど経つと
ゆっくりと細い目を開けた。
「せっかく、
殺すチャンスをやったのにな...」
ニヤッと男は奇妙に微笑むと
勢いよく龍一の腕に硫酸を入れた。
「うわぁぁーーー」
身体の中が熱い。