存在しない366日
「なぁ、直樹…。
一回家戻って懐中電灯持ってこない?」
「‥‥家に懐中電灯あったっけ??」
やっと口を聞いてくれた。
「確か停電の時のために
和室の棚にあったと思う。
家に行けば
手当出来るし水だって飲める」
俺たち、
今ある力を振り絞って
全速力で家へと向かった。
この速さなら
誰も追い付けやしない。
やっとのこと、
家の近所の道へ来た。
この道を右に曲がれば
俺の家はすぐだ。