存在しない366日
道を曲がると
いつもと何も変わらない、
自分の家があった。
家へ着くと
静かにドアを開け、
戸締まりをきちんとして
家の電気を付けた。
淡い光が
家の空間を包み込む。
「和室は二階。
段差気を付けて」
俺は直樹を気遣い、
肩を貸しながら
俺たちは二階へと続く階段を登っていった。
一階の廊下と階段の電気は点いているが
二階は真っ暗だ。
階段を登り終えると
俺たちは不思議なことに気付いた。
俺たち以外誰もいないはずなのに
和室の電気が点いていて
ガサガサ物音が聞こえる。