存在しない366日
何分かしてから
俺は龍一がもうこの世にいないことを理解できた。
この世というのは変かもしれない。
だって
ここは存在しない日なのだから。
「……龍一のためにも俺たちは生き残ろうな」
俺は強く言うと
棚の上から赤い懐中電灯を2つ取った。
そして
懐中電灯を二人に渡す。
「…刹那のは?」
「2本しかないから俺はいいや。
二人の懐中電灯で見えるし」
和室の電気を消すと一階へと移動した。