存在しない366日
ジャ――――‥
蛇口を捻り、
コップに水を注ぐ。
ごくごくごく…
冷たい水が喉を潤す。
今日はずっと走っていたから
水が美味しく感じる。
「直樹足出して」
足を見ると
どす黒い血が肌の上を流れていた。
救急箱から包帯を出すと
包帯を乱暴に傷口に巻き付けた。
「いて~よ!!
もっと優しく巻けよ」
「しょうがねぇーだろ。
俺がさつだもん」
そう言いながら
包帯を金具で留める。
乱暴に付けたから
傷口より包帯の範囲が広くなってしまった。