存在しない366日
犠牲



この時間になると
恐怖感も増す。

早足で歩き始める。
向かう場所などない。
何処へ行っても地獄なのだから。




俺たちはいつの間にか
紫音と悠也たちと分かれた道に来ていた。


「どっち行く?」

そう紫音が聞くと
俺と直樹は黙って左を指さした。



歩いて行くと雪ではない、
透明な液体がコンクリートを濡らしていた。

「何だ?この液体はっ」


「硫酸…それで龍一は死んだ‥」




硫酸て鉄とかを溶かすのに使う、
薬品か…??

そんなもので人を‥




             
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