存在しない366日
顔がなくよくわからないが
あの服装は紫音だ。
積もった雪の中に
紫音と懐中電灯が埋まる。
紫音の首から出た血が
真っ白な雪を赤く染めていった。
遠くを見ると飛んだ首が...
目を見開いて
もう意識はない。
一瞬のことで
俺と直樹は何が起きたのかわからなかった。
ただ身体を小刻みに揺らし、
死体から目を離せない。
これで3人も死んでしまった。
老夫婦は
鎌に付いた血をぺろぺろと舐めて
狂ったように笑っていた。