存在しない366日




その笑い声が
頭の中に嫌なほど響く。

早く逃げなきゃ...



でも、
思うように足が動かない。


震える腕を強く握り、
"動け!動け!"と自分に言った。
すると、
直樹が俺の服の袖を掴んで引っ張ってくれた。




直樹が龍一に見えた。

どんな状況にも
冷静で思いやりのある龍一が。




その時、
初めて俺の目から涙が溢れた。

泣きながら
俺は一生懸命走った。
何もかもが嫌になった。



こんなゲームを早く終わらせたい。

             
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