存在しない366日
もう、
誰かが死ぬ所を見たくない。
思った通り
老夫婦は俺たちには追い付けなかった。
近くの公園に足を止めると
二つあるブランコに座った。
「なぁ‥俺たちも死ぬのかな?」
そんなことを直樹が呟いた。
「‥そうかもな。
いっそのこと自殺したい」
「はは。そっちの方がいいかもな」
そんな話をしながら
ブランコを漕いでいた。
真っ白な空に近付いたかと思えば
また地上に。
――あの空の向こうには何があるのだろうか――