I ─アイ─
最近は、お母さんとの会話が弾む。
お母さんと話すのが、楽しくて楽しみで仕方が無かった。
つまらない学校から、急いで帰ってきたなんでもないある日。
玄関のドアノブには、かすかな赤い跡。
あたしは生まれた時から、体が弱かったから、
よく大きな病院にお世話になっていた。
そこで血を目にするのは意外と多かった。
…なのに、なんだか全く違う物の様な気がした。
禍々しく殺気を放つ赤い跡
『最近お母さんの様子がおかしいの!!』
あの次の日。
病院へ行ったあたしが、医者に訴え付けた言葉。
自分で言った言葉が、山びこのように跳ね返って来る…。
嫌な予感がした。
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