I ─アイ─




『うん』




そう言われた気がして、強く強く自分を責めた。


………自分が嫌い。



やっと気づいた。



やっと覚えた。

ドアを開ける、あの感覚を。

お母さんが倒れた時の感覚を。
今、感じてる感覚を。




『お母さんの言った事なんか忘れろッ!

奈々は優しい、いい子だよ。』


なんだかすごく嬉しかった。
でも、すごく悲しかった。



なんで、お父さんはお母さんを否定するの?




永遠の愛を誓ったんでしょう?



それとも、永遠も信じちゃいけないの?




心の中で何かが音をたてた。
どんどん崩れていくように…




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