放課後のみるくキャンディー
第1章

◆いつもの味

「はぁー…終わったぁ~……」

椅子に座って、伸びるあたし。
高野愛、高校2年生。

夕暮れの、オレンジ色の教室。
あたしと、もう一人。


「んじゃ、帰る?」


優しく笑って、書類をまとめながらたつ彼。
平沢舜くん。

彼とあたしは、学級委員。

委員を決める日に、遅刻してしまったあたし達。
偶然の偶然が重なって、同時に教室に駆け込んだ。

でも、丁度決めてて、運悪く、あたしは委員になってしまった。


「そーだね」

あたしは、椅子から立ち上がって、鞄を机の上に置いた。

「じゃあ、俺、職員室にこれ出してくる」

手に持っている書類をひらひらさせながら言った。

「うん、鞄はあたしが持っていくね」


彼が教室を出た後、あたしは、彼の席から鞄を取って、自分のも持って、教室を出た。








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